みなさん、こんばんわ。
ペタしてくれて、ありがとうございます。
今日も激走100キロ四万十川ウルトラマラソン物語
いってみたいと思います。
スタートしたのは早朝5:30。
スタート会場を一歩離れると、そこは四万十川流域の山中ですから
辺りは人家もまばらな自然豊かな場所です。
街灯もなく、1年のうち今日以外は闇と静寂の世界であろう、山道を
1500の息づかいと3000の踏み込む足音が1つの方向に向かって伸びて
いきます。
去年も出場したKさんによると、おそらくガスがかかって5メートル先も見え
なかったらしいが、今年の視界は少し良いようで10数メートル先は見える。
それには手作りのこんな暖かい気遣いがあってこそなんだろう。
スタート直後の道路と歩道を分ける縁石に無数のろうそくが。
さっき会場のアナウンスが紹介していたのを何気なく憶えていた。
ご近所の方々が「まだ暗いだろうから、足元を照らそう」と配慮して
燈してくれたのです。
延々と並ぶろうそくの炎。
幻想的で思わず立ち止まった。
この時間でこの数のろうそくが燈っているということは、我々が起きた頃
あるいはもっと早くから準備してくれたのだろう。
ありがたい。
スタート直後なので1500人は一団となり、数分でここを駆け抜けていく。
その一瞬のために、何時間もかけて用意してくれた。
足元を照らす、揺ら揺らとした小さな光の列に2枚目のシャッターを押す。
もう一人のランナーが同じようにデジカメで撮っていたが、気がつけば
二人は最後尾になったようだ。
選手を追いかける救護や審判の乗った車の列よりもさらに後ろになって
しまった。
「これって最下位ですよね」
「、、、、、みたい、です。まずいっすね」
プランとしては最初の2キロくらいまではウォーミングアップで歩きながら
身体を暖める作戦だったが、すぐに最終集団に追いつき10分ほど
彼らの集団でジョッギングと早歩きを繰り返して、少しづつペースを
上げる。
じんわりと夜が明け始め、道も平坦ではないことが来た道を振り
返るとわかった。
山は始まっていた。
最初の20キロの登りを2時間30分で行けば、そこで脚が何ともなければ、
第一目標の完走が見えてくる、と踏んでいた。
集団で走るのはメリットが多いけれど、つい前に出たくなって実力以上に
飛ばしたくなる、という面もある。
焦るな、、、キツイ勾配なら少々歩いてもいい、、、登りはまだあと15キロ
続くのだから。
ペースがこなれてくると周囲の顔ぶれはだいたいわかるようになる。
目立つのは派手なウエアや今回はさすがに少ないが仮装のランナー。
そして、見るからに軽快で脚の作りが明らかに走りこんでいるランナー。
この山道でもっとも目立ったのが前を行くM姉妹と多分学友のS君。
姉妹は女子ということもあるので目立つが3人とも脚運びの次元が
周りと違っている。
70歳にして毎月200キロから300キロは走っているという走歴36年の
Yさんらと併走しながら、M姉妹に聞いてみたらやはり大学の陸上部で
姉妹の区別がつかなくって申し訳ないのだが、一人は国内外の一流
選手が出場したメジャー大会で入賞の経験があるという、トップランナー
フルマラソンのタイムが2時間30分そこそこだと。
私はそうでもないと言っているが、それでも2時間40分台だというから
充分早い。
S君の記録は聞かなかったが、専門誌のモデルになっているらしく私の
予想タイムは2時間10分台だ。
ついたり離れたりしながらも彼らについていき、5~6人のちょっとした
集団を形成する。
助かった。
彼らは充分すぐるくらい余力があるのでペースが完璧に一定している。
おそらく、登りも下りも関係ないんだろう。
100キロは初めてといっても、まともに走れば8時間かそこらでゴールする
はずだ。
彼らにつかせてもらった、勝手に後ろにくっついて安定したペースを享受させて
もらい、その上しゃべりながら登りということも忘れさせてくれた。
気がつけば15キロを迎えていた。
しかし。それでも山は頂上に向かうほど勾配がきつくなる。
最初の関門と考えていた登りはあと5キロ続く、、、、、。
M姉妹とS君のペースは落ちない。
それどころか、まだ余力があるのがわかる。
軽く流しているような走り方だから。
それにしても無駄のないフォーム、発達したひらめ筋などと感心して
いるうちに差が開く。
こちらのペースが落ちたようだ。
山頂が近くなり、登りの険しさが増す。
彼らは相変わらず、安定して登っていくがこっちはそうも行かない。
自然とペースダウンする。
ここで無理してはいけない。
間違っても粋がって、あるいは勘違いして彼らを追いかけてはいけない。
ベースの走力差を忘れてはいけない。
それにしても早い。
後姿がみるみる小さくなる。
スタートから絶えること2時間10分。
20キロ地点に到達。
ここがほぼ山頂、今回のコースでのもっとも標高の高い場所だ。
姉妹のおかげで、完走計画よりも20分速いペース。
脚も元気だ。呼吸の苦しさもない。
途中の雨も激しいものではなく、ポンチョを広げるほどではなかった。
すべてが順調だ。
山頂からの眺めが一層気分をよくしてくれる。
これはイケルかも、、、、。
楽しくなってきた。
ランナーズハイか
たぶんそう、でもそれよりハイ
登りが終われば次は得にしているくだりが続く。
お調子に乗って飛ばしすぎるな。
思わず、30キロの看板を飛ばしてしまうほど、脚が前に出る。
次の20キロも同じようなペースでいければ本当に完走が見えてくる。
40キロで4時間30分以内なら、100キロの制限時間が14時間なので
残り9時間30分は歩くようなペースのなったとしても間に合うという計算
がたつ。
そんな、ことを考えながら。多分相当ニコニコしていたと思う。
景色を楽しむ余裕がある。
セルフショット側のレンズは雨と体温で曇ったらしい。
が、立ち止まって写メする余裕がある。
この時点でこの表情ほどの疲労は実はない。
下りもあって、20キロから40キロまでは早く感じた。
実際のタイムは4時間7分。
この20キロのラップタイムは1時間57分だ。
かなりいい。
下りを駆け下りすぎてあとでダメージが来なければいいが、、、。
残りは60キロを切った。
頭がおかしくなったような計算だが、フルをあと1回半でゴール
できる。ハイな自分にはちっともおかしくない。
制限時間まで10時間。
で、60キロ。
完走が見えた。
そう思った瞬間、、、、。
0コメント