昨日の続きです。
夜は青山で保険会社時代の仲間とその先輩の3人で食事をした。
例によって、野菜だけを生のまま食べながら古い話に花を咲かせて、楽しい時間を過ごした。
たまたま、その先輩というのが私が前にいた会社に私とすれ違いで入社したこともあって
共通の話題が多かったせいもある。
「じゃあ、そろそろ帰ろうか」となったが、私は仕事の続きがあったので青山通りに面したその店の
前からタクシーに乗った。
(これで昨日の場面まで戻ったでしょ)
走り始めて100メートルほど、
「あっ、携帯忘れた」ボソッとつぶやいた。
さっきの店に置き忘れたのを思い出したのだ。
「よかったですね、早く思い出して」ドライバーさんが返した。
「エッ、、、」よく聴いていたことへの驚きとその発想に思わず声が出た。
「戻りましょうか」
普通ならそこで降りて携帯をとりに戻って、別なタクシーに乗りなおすところだが、文字では
表せないその絶妙なタイミングに
「そうしてください」と言ってしまった。
大通りなのでグルッと迂回しなければいけない。
タクシーではかえって時間がかかることはわかっていた。
しかし、「そうしてください」と確かに言ったのだ。
こんな小さなことなのだニンゲン気分が良くなるのは。
このドライバーは自分のため、お金のためではない、ホンの数十秒前にたまたま乗ってきた
お客のためを思っていると感じるのだ。
相手がどのような状態なのか瞬時に見分ける能力、それも長年の経験で鍛えられた能力を
体感した瞬間でした。
携帯は無事にありました。
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