シリーズ第二弾です。
著者の北尾さんは事業家としてよく知られていますが、
お父様が中国の古典を通して北尾さんを教育されたとのことで、
いまも中国古典に造詣が深く、私はそれを「中国古典からもらった
『不思議な力』」という別な著作で知りました。
「何のために生きるのか」というのは非常に大きな問いかけです。
私なりの答えはどんな苦悩もすべて受け止め、人格を磨き、
そのうえで自分のできることを尽くして、世の中のために仕えること
だと考えています。
つまり自分らしく生きる最良の方法は、まず寝食を忘れて働くことで
その先に大きな喜びや本物の成長が実現するのです。
北尾さんは中国古典を引用して、諭すように気づきを与えてくれます。
東洋哲学では、徳が才に勝る人を君子と呼びます。
才が徳に勝っている人というのは、大才であったとしても小人なのです。
どちらも並外れてすぐれている人を聖人と呼ぶわけですが、
徳か才かといわれたら、やはり徳のほうに重きを置くのです。
日本と中国が一緒に仕事をしていく機会は今後ますます増えてくると
思います。そのとき自らの勉強不足を恥じないで済むように、
日頃から古典にふれる習慣を身につけておきたいものです。
そうした意味で、古典に親しむということは、これからのビジネスマンの
必須のテーマになるのではないかと思っています。
古典と聞いただけで古臭い感じがしますが、人間が生きていくための
原理原則は普遍なのです。
先人達が繰り返し学んだ歴史から、実は現代の多くの聖人たちもまた学んで
いるのです。
本書を読んで古典にも興味をもってもらえたら、それが一番の
気づきになるかもしれません。
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