マニュアルよりも

今朝、身支度をしていたら窓の向こうの電信柱でセミが鳴いていました。

夏ですねえ。(電信柱にセミって異常な光景なのに見慣れてしまいました)
都心でも家族連れの姿をチラホラ見かけ、バケーションモードが漂ってきます。


昨日、待ち合わせであるファーストフード店に入りました。
私は普段からカフェインや砂糖の入ったものは摂らないので、久しぶりのファーストフード店でした。

待ち合わせの相手はまだ来ていないようなので、仕方がないので何か頼むために列に並びました。
飲めるものは何もないのですが、オーダーもせずに席に座るのは商売の邪魔をすることになるので
イヤなんです。性分ですね。

私の前でいかにもこれからどこかに出かけるのだろうという雰囲気の女性-たぶんお母さん-が
新幹線の中で食べるのか結構な量のオーダーをしています。
その内容から、たぶんご主人と小さな子供が二人だと想像がつきました。
店内にそれらしい家族はいないし、ひとりで入ってきましたから小さな子供とお父さんはホームで
待っているのでしょうか。

オーダーがのやり取りを聞いていて不思議なことに気がつきました。
「店内でお召し上がりですか?」
店員さんがそのお母さんに聞いたのです。
親子4人前をこの女性が一人で食べると思ったわけではないのでしょう。
マニュアルでフレーズが決められているので、店員さんは何の疑問もなく聞くのです。

私ならここで「ほんとにそう思います?」または「こんなに食べられるわけないでしょ」と
言いたくなりますが、お母さんは「いえ、テイクアウトで」と答えました。
わたしは内心「そりゃそうだろ」と思っていました。


見慣れた光景といえばその通りなんですが、違和感を感じる場面でもあります。
マニュアルを否定はしませんが、それより大事なことは「感じる」ことだと思います。


周囲の状況を判断すれば「店内で、、、」ではなく、「お持ち帰りでよろしいですか?」でいいわけです。
さらに、商品はそこそこの重さなのだからカウンターから出て手渡すことができないか、それも
状況によって判断できるのではないかと思います。
「お気をつけて」の一言があれば楽しい家族旅行の演出をすることもできそうです。

これは教育をする企業側にも責任がありそうです。
均一で安定的なサービスを提供するためには、より完成度の高いマニュアルに沿って教育することが
必要なので、わかっていても個人の感性に任せることは選択できないのでしょう。


またそれは、感性のバラつきが大きくので、個人の感性に任せることにリスクが伴う、つまり
人によってはとんでもないことを言ってしまう場合がある、という考え方もあります。
それほど常識がなくなってきているということかもしれません。


でも、お客さんと直接触れ合う店員さんの感性がお店の(あるいは会社の)サービスレベルを
決めている一番の要因ではないかと私は感じています。



本文とは関係ありませんが、60年前の長崎はどんな夏だったのでしょうか。
終戦のとき10歳だった父に初めて当時の話を聞いてみたいと思っています。
いま同じ年頃の子供たちと一緒に。





組織学習経営コンサルタント 池本克之の「今日も絶好調!」

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